「DD、BA、平面、PZT……全部乗せでお願いします。」
そんな無茶な注文を、このイヤホンは見事に形にしてしまいました。今回は、3万円台の勢力図を塗り替えた名機 Kiwi Ears Quintet(クインテット) を徹底レビューします。
1. スペック:もはや「ドライバーの博覧会」
まず驚くべきは、その中身。5基のドライバーがそれぞれ異なる役割を担っています。
| ドライバー種類 | 基数 | 担当帯域 |
| DLCダイナミック | 1 | 低域(重厚感とアタック) |
| BA(バランスド・アーマチュア) | 2 | 中高域(解像度とボーカル) |
| マイクロ平面駆動 (MPT) | 1 | 高域(繊細なディテール) |
| PZT(圧電)ボーンコンダクター | 1 | 超高域(空気感と伸び) |
2. サウンド:バラバラな個性が、なぜか「一つ」になる魔法
普通、これだけ種類の違うドライバーを詰め込むと、音の繋がりがバラバラになりがちです。しかし、Quintetは「驚くほど自然」。
- 低域: DLC振動板らしい、沈み込みの深いタイトな低音。ボワつかず、楽曲の土台をしっかり支えます。
- 中域: ボーカルが半歩前に出る絶妙な距離感。BA特有の明瞭さがありつつも、刺さりはありません。
- 高域: ここがこのイヤホンの真骨頂。平面駆動とPZTが合わさることで、シンバルの余韻やハイハットの粒立ちが、まるで耳元で火花が散るように鮮やかに響きます。
一言で言うなら: 「モニター的な正確さ」と「リスニングの楽しさ」が、50:50で同居している稀有なバランスです。
3. デザインと装着感
見た目は非常にシンプル。マットなメタルのフェイスプレートに、医療グレードの樹脂シェル。派手さはありませんが、「道具としての信頼感」が漂います。
筐体は少し厚みがありますが、耳に吸い付くようなシェイプで、長時間のリスニングでも疲れにくい設計です。
4. どんな人におすすめ?
- 「解像度お化け」を探している人: 3万円台でこれ以上の音の分離感を見つけるのは困難です。
- ハイブリッド構成の進化を感じたい人: 異なるドライバーが喧嘩せず、調和する快感を知ってほしい。
- ジャンルレスに楽しみたい人: アニソンからクラシックまで、ソツなく(どころかハイレベルに)鳴らし切ります。
総評:これは「価格破壊」という名の芸術品
Kiwi Ears Quintetは、単なる技術誇示のイヤホンではありません。緻密な計算の上に成り立つ、まさに「五重奏(クインテット)」の名にふさわしい調和の取れた一台です。
深夜にこの記事を読んでいるあなた。次に目が覚めたとき、手元にこのイヤホンがあっても後悔はしないはずですよ。
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